ヨリコ姫の改心~浄土真宗と霊界物語~③最終回
<後記>
霊界物語には親鸞聖人の和讃のほか、浄土真宗が経典とする無量寿経を基とした箇所がいくつかある【註2】。また、聖書に関するスエデンボルグの著書「天界と地獄」も霊界物語の基となっている箇所がある。これらは、霊界物語が万教同根の教典であることの一つの証しともなるのではないだろうか。
ところで、我が家は昭和二十三年の大本入信以前は、近所の多くと同様、山口市にある浄土真宗の徳證寺の門徒であった。実は、この寺の住職平田徳雨さんは、喜界島出身の東郷晶子さんと歌の友だちである。東郷さんはかつて霊界物語フェスティバーロで、ピアノを弾きながら歌われた方である。
住職の徳雨さんとは、地元の観音様の祭礼や葬儀などでよくお会いするが、「藤井盛」の私のユーチューブのチャンネル登録もしていただいている。
また、住職の父親の前住職平田厚志さんは、龍谷大学の教授をされていた方である。宗教史が専門で大本のこともよくご存じであった。
私は妻が他界して、妻を詠んだ歌集を作ったが、前住職の厚志さんから「こうした信仰的なものを、信仰を持たない一般の人々が目にすることには大きな意義がある」と言っていただいた。私はこの言葉に励まされ、積極的に歌集を配ろうと思った。
そして現在、配布が千五十部を越えた。
【註2】※それぞれ一部分を記載。
①神仏無量寿経〔第六十七巻第五章「浪の鼓」〕
それ蒼生にしてこの神光に遭ふものは、三垢消滅し身意柔軟に歓喜踊躍して、愛善の至心を生ず。三途勤苦の処にありて、この神の大光明を拝し奉らば、いづれも安息を得て、また一つの苦悩無く、生前死後を超越し、坐しながら安楽境に身を置き、天国の生涯を送ることを得べし。
仏説無量寿経巻上 〔岩波文庫 浄土三部経(上)〕
それ衆生ありて、この光に遭ふ者、三垢、消滅し、身意、柔軟にして、歓喜踊躍し、善心生ず。もし三途の勤苦の処に在りて、この光明を見たてまつれば、みな、休息をえて、また苦悩なく、寿終りて後、みな、解脱を蒙る。
②〔第五十五巻 序文〕
行して神使となること能はずとも当に無上の神心を発し一向に天地の大祖神を祈願し真心より可成的善行を修して斎戒を奉持し神の聖社を建立するの一端に仕え神使に飲食を心より供養し神号輻を祀り灯火を献じ祝詞を奏上し神の御前に拝跪せば天界に生れしめ玉はむ
仏説無量寿経巻上 〔岩波文庫 浄土三部経(上)〕
行じて沙門となり、大いに功徳を修するあたわずといえども、まさに無上菩提の心を発して、一向に専ら無量寿仏を念ずべし。多少、善を修し、斎戒を奉持し、塔像を起立し、沙門に飲食せしめ、繒を懸け、燈を然し、華を散じ、香を焼き、これをもって廻向して、かの国に生まれんと願う。
③〔第四十一巻 総説〕
今私は仏典に依つて浄土即ち高天原の真相を示す…
「その国土には七宝の諸樹世界に周満せり。金樹、銀樹、瑠璃樹、玻璃樹、珊瑚樹、瑪瑙樹、硨磲樹あり。(以下何れもその荘厳優美の比喩辞也)或は二宝乃至三宝乃至七宝うたた共に合成せるあり。
仏説無量寿経巻上 〔岩波文庫 浄土三部経(上)〕
その国土、七宝もろもろの樹ありて、あまねく(安楽)世界に満つ。金樹、銀樹、瑠璃樹、玻璃樹、珊瑚樹、瑪瑙樹、硨磲樹なり。あるいは二宝・三宝ないし七宝、うたたともに合成せり。
④〔第六十四巻(下)第一章「復活祭」〕
某聖者が地獄一定と日われたのは此処にある。
親鸞著 歎異抄(第二条)
いづれの行もおよびがたき身なれば、とても地獄は一定すみかぞかし。
0コメント