非生産的職業~侵略戦争   梅園浩 先生  NO.14

○非生産的な職業

 ただ、そのなかで一番はっきりしている非生産的な仕事というのは、戦争に従事することです。これは何にも生産はない。もう常に破壊だけです。目的は破壊と殺戮ですから。だから戦争というのは、いわゆる神様の方でいう適宜の事務ということにはならんのではないか。だから、かつて我々も兵隊に行った経験があるわけなんですが、ある意味、みろくの世というか、神様の希望される世界においては、ああいう破壊的殺戮的な職業というのは、決して正しい職業としては存在は許されないと言えると思います。

 今日本を見ると、私は自衛隊というのはあっていいと思うんです。ただし、人殺しの稽古をしない自衛隊であってほしい。

というのは、科学が進むことによって生態系を荒らし破壊している。山をはぎ、海は泥海のようになっていますが、本当に、国土の防衛をする自衛隊であれば、もっと瀬戸内海を生かすとか、あるいは琵琶湖を復活させるとか、荒れ果てた山を植林するとか、あるいは、決壊した川を修復するとか、海でも、海藻が生えなくなった海を元の渚に戻すとか、やることはいっぱいあるわけです。そして国を守る。あるいは、時に災害があれば、国民の命が危険にさらされる。それを救援する仕事も大事な国土防衛ですし、そのために、青年が二年、三年社会に奉仕するために自衛隊を持つということは、これはいいことだと思います。私はあっていいと思うんです。

 ところが今のように、ありもしない、起こりそうにもない戦争を想定して、大事な資源を浪費し、そして、不必要な敵愾心をあおりたてて、そして、物を消耗するこういう仕事は、正しい生産的職業とは言えないと思います。

  ○侵略戦争

だから、もっと私は本来の意味で、国土を守り、人民を守る。そういう自衛隊というのはいいんですけれども、今の自衛隊ではちょっと困る。まして、軍備を増やさんがために、不必要なソ連脅威論というものをあおりたてて、今にも北海道は侵略されんというような調子です。

これは、たいへん誤った方向を日本人に選ばせるんじゃないかなと思って、本当に心配します。考えてみると、北海道にまあ仮にソ連が上陸して、そこで弾の撃ち合いなんかやったら、そりゃもうたいへんなことで、昔の戦争と違いますから、国土は破壊される。それで住民は殺される。一つもいい結果はないと思うんです。

侵略戦争というのは、非常に嫌がりますけれども、戦争する以上は、侵略しなけりゃ負けるんです。相手が来るのを迎えて戦争する馬鹿な戦争はない。やる時には必ず相手の領土に踏み込んで、相手がぼおっとしている間にたたかんと、戦争は勝てないですから、それを称して侵略戦争という。だから、日本は侵略戦争をしないんだ、専守防衛だと。そんな戦争なら初めからせん方がいい、こりゃ勝てるはずはない。

 今日は千秋楽ですけれども、相撲だって一歩相手の土俵に踏みこまなけりゃだめなんで、それで、立ち会いが難しいわけでしょう。相手よりも先に、だましてでも相手よりも先に踏み込まんといかんわけで、踏み込まれたらもう既に負けなんです。戦争は明らかにそうです。だから、専守防衛というのは言葉では成り立つけれど、実際の戦争では、専守防衛というような戦争はあり得ないし、それをやったら必ず負ける。

 まあ、そんなことだったら、もっと正直に言った方がいいんです。侵略戦争しませんというごまかしは言わんと、戦争するんだったら、常に侵略戦争やりかねませんと。それが人道に反するということで、憲法に戦争しないということをうたったんです。侵略戦争しないということは、一切戦争しないということなんです。それを日本人がもっとはっきり自覚しないといけないんじゃないですか。

国を守る以上は適当な軍備は必要だという。どこまでしたら守れる軍備になるのか際限ないわけでしょう。だから、今でも地球を何十回と破壊できるほど核兵器をソ連もアメリカも持っている。いっぺん破壊したら終わりですよ。三十回も破壊する必要はないんです。そのために、無駄な金を世界で五千億ドルとか、六千億ドルとか言われておりますけれども、ものすごい金を使っています。

大本柏分苑

大本柏分苑のホームページです。 5件のSNSがあります。 ①アメーバブログ ②フェイスブック ③TWITTER ④YOU TUBE ⑤ライブドアブログ 下記それぞれの画像をクリックして下さい。

0コメント

  • 1000 / 1000