生態系の乱れ~薬が病気~天道~生成化育 梅園浩先生 NO.12
○生態系の乱れ
今の世の中見ましたら、天人道の常、天道に逆らう人間の誤りというのが、非常に多いということに気がつきます。だから、食うべからざるものをして食うようにしている。使うべからざるものを逆用している。そういう形で、自ら自分を不幸にしているんです。
今、自然で盛んに言われている生態系の乱れというんですか、例えば、松茸一つできない。できなくなった。これはなぜか。いろいろな原因があるわけです。とにかく空気が汚れたということがあるし、それから燃料の面では、日本人が石油とかプロパンとかを使いすぎて、松山の手入れも風通しも悪くなる。松が枯れ出すからやたらに薬剤をまくという形で、自然の生態系を破壊してしまう。
だから、松茸一つが生えてこなくなる。自然の生態系が総合的に生かされていると松茸なんか、亀岡なんかいやになるほど出てきていた。道を歩いていたら、道の真ん中ににょきにょき出ていたりしていた。このごろは一本が何万円でしょう。ひどいことになってきた。
結局、それというのは、人間が部分的に部分的に、生態系の良能、良質を破壊していくわけです。破壊していって、それが総合的に松茸一本出てこないような日本になってしまった。というようなことなんで、やはり、部分的な問題でなしに、もっと総合的に、日本なら日本の国の中においてあらゆる自然のものが正しく活用され、正しく調和して活かされてきたかということを考えないと、松茸一本取り戻すことができないと。琵琶湖の海を自然の海として取り戻せない、瀬戸内海が生き返ってこないということになると思うんです。
○薬が病気を生む
だから、今の我々の日本の悩みというのは、自然に与えられている良能、良質をむしろ逆利用した、あるいは、それを開発することを怠ることによって、今日の社会的な悩みというものが出てきたということも考えるんです。
病気でもそうですけども、昔から名医は一つの薬で二十の病気を治した。藪医者は二十の薬を使って、一つの病気をよう治せないと言われているんですが、今は、それはすごいです。昔はミミズを煎じて熱を下げていた時代もあったでしょうが、このごろは、やたらに薬を飲ませてくれて、薬が、また病気を生んでいくということもあるわけです。
それはなぜそういうことになってきたのか、考えてみると、やはり、厚生省の厚生行政あたりに誤りがあるんじゃないかという気がするわけです。薬というのが、病気を治すために作られるのならいいが、どうかすると金儲けの手段として薬が作られる。効くか効かんかわからんものを、袖の下の具合いによって許可する。そういう誤りが横行しておる。そういうところにいろいろなものの原因があると思うんです。
教育だって、家庭における教育、学校における教育が荒廃しておる。今ごろの中学校の先生になると命がけになるというんです。なぜ、そんなになってきたか。やっぱり、この慣、天人道の常というところで教育者は教育者としてもっと考えなければならないのです。
○天道とは
私がいつもよく話をすることなんですけど、人生は良いことばかりじゃないです。病気することだってあります。なんぼ神様を拝んでいても病気もするし、そして、また、家庭の中のいろいろな問題にぶつかることだってありますし、波があるわけです。
自分はこんなに信仰しておるのに、こんな目に遭わんならんと思うこともあるんですけれども、しかし、どんな苦しい時、お先真っ暗に見える時でも、決してお先真っ暗ではない。それはなぜかといったら、自分を含めて、宇宙そのものが愛善の神の懐の中に生かされておる。天道即天道そのものである神様の愛の懐の中に包まれておるんだから、本当は悪くなるはずはないという。天道というのは、すべてのものが良くなっていくように、栄えるように、力づいていくように、そういう方向に働く道、これが天道なんです。
○生成化育
神様は、そういうふうに作っておられるんです。生成化育ということがありますけれども、化というのは、亡びるように思いますが、次に生まれるためにあるわけです。
だから、一本の木に生成化育があるんです。春になると芽が出る。夏に葉が茂る。秋に黄ばんで落ちてくる。そうすると、秋になると亡びるように見えるけれど、実は、落ちて来年芽を出すための力を蓄えるためにやるわけです。
生成化育というのを一年で当てはめますと、生というのは、生まれるのは春の気候でしょう。一本の木で言うと、成というのは、茂る、成る、夏に成長する。化というのは化ける。青かった葉が黄色くなったり、赤くなったりして落ちてくる。これは秋です。
生成化育の化は化ける。季節で言うと秋です。そして冬、何もしていないようだけど、その間に根は力を蓄えて、来年に芽をつけるために力を蓄える。冬の仕事です。化育、育てる。その時期は冬なんです。
そういうふうな生成化育を見たら、芽が出て、葉が茂って、また、枯れて、葉が落ちてというようにやっているようだけれど、全部それはすべて進展をするための一つの道筋なんです。だから、神様は、自然を見ても、直ぐに発展して成長していくように作っておられる。
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