新型コロナウイルスと信仰の力

新型コロナウイルスと信仰の力

   〔令和2年5月14日 藤井盛〕

新型コロナウイルスに関する新聞記事の中に、ヘブライ大学教授ユヴァル・ノア・ハラリ氏へのインタビュー記事があった(朝日新聞四月十五日)。氏は世界的ベストセラー「サピエンス全史」(邦訳)がある歴史学者である。次のように答えている。

「情報を得て自発的に行動できる人間は、警察の取り締まりを受けて動く無知な人間に比べて危機にうまく対処できる」「感染症ははるか昔から存在する。グローバル化がなければ感染症は流行しないと考えるのは間違い。文化も街もない石器時代に戻るわけにはいかない」「感染症は全世界が共有するリスク」「一九一八年のスペイン風邪は、一八年春には第一波が世界中で流行。その後、ウイルスが突然変異し、一八年夏からの第二波で死亡率が五~一〇%に上がり、二〇%の国もあった。さらに第三波もあった」(要約)

こうした歴史学者らしいコメントに続き、新型コロナウイルスのもたらす社会の兆候に触れている。

「危機の中で、社会は非常に早いスピードで変わる可能性がある。世界の人々が専門家の声に耳を傾け始めているのはよい兆候」

  〇貪(どん)・瞋(しん)・痴(ち)の三毒

何より私が驚いたのは、次の言葉である。

 「悪い変化もある。我々の最大の敵はウイルスではない。敵は心の中にある悪魔で、憎しみ、強欲さ、無知。この悪魔に心を乗っ取られると人々は互いを憎しみ合い、感染をめぐって外国人や少数者を非難し始める。これを機に金もうけを狙うビジネスがはびこり、無知によってばかげた陰謀論を信じるようになる。これらが最大の危険」

(要約)

これらの「強欲さ」「憎しみ」「無知」の三つの言葉は、仏教にいう貪欲の「貪」、憎しみ=瞋恚(しんい)の「瞋(しん)」、無知の「痴」の「三毒」に他ならない。これをユダヤ教徒であろうイスラエル国立大学の教授が用いていることに驚いた。同教の教典旧約聖書にも同様の内容があるのだろうか。

ところで、三毒は霊界物語にも出ている(第二巻第五○章「鋼鉄(まがね)の鉾(ほこ)」)。三毒をふくめる悪神の主将八王大神が、神国別が言う「天下は圧力武力では治まらない」という神理を聞き流して殺そうとし、さらに国治立命にまで打ってかかろうとしたという話である。

  〇病神(やまひがみ)と大本神諭

この国治立命、つまり国祖国常立尊の大神が出口なお開祖に懸られて述べられた大本神諭の明治三十一年旧五月五日のお示しに、病気と信仰に関係した箇所がある。

「病(やまひ)神(がみ)が其所等(そこら)一面に覇(は)を利(き)かして、人民を残らず苦しめやうと企(たく)みて、人民のすきまをねらひ詰(つめ)て居(を)りても、神に縋(すが)りて助かる事も知らずに、外国から渡りて来た悪神(わるがみ)の教えた、毒には成っても、薬には成ならぬヤクザものに、沢山の金を出して、長命(ながいき)の出来る身体(からだ)を、ワヤに為(し)られて居(を)りても、夢にも悟らん馬鹿な人民斗(ばか)りで」

神に縋(すが)れば病神(やまひがみ)から身が助かるとある。つまり、信仰の力で病気から身を守ることができるという、信仰する者にとってたいへん心強いお示しである。

  〇ペストと霊界物語

また、「病神が人民を苦しめる」ことが、霊界物語にもある。「黒死病(ぺすと)の由来」との章名が付けてある(第二巻第五章)。

悪神偽美山彦が発生させた邪気が変化した病魔神(やまひがみ)に、神国別の神軍が冒されて多数が死滅し、この病魔が世界に拡がりペストの病菌となったと示されている。実際の歴史においても、ペストは十四世紀に大流行し、欧州は人口の三分の一を失っている。

その後、神軍の佐倉姫が天の木星に救援を願うと、榊(さかき)の枝が降って来て、これに神霊を取懸けて左右左と振ったところ、東風が吹き、邪気は遠く散逸して消滅してしまうのである。そして神軍は蘇生する。つまり祓い清めによってペストは消滅してしまうのである。この祓い清めの神力もまた、信仰の力に他ならない。

大本柏分苑

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