正しい日本史です。(再改訂版)
PS
第一次事件の原因となったものは幾つか挙げられる。
①事件を牽引した内務省や検察、といった国家と警察は、大本に対する二度にわたる警告でも明らかなように、「世の立て替え建て直しは、祭政一致・神政復古・世界と日本の改造・世界動乱・国難到来・綾部遷都・世界大家族主義・私有財産の否認・貨幣制度の廃止などの文辞を掲げて、近く社会国家に大変動あり、人類は絶滅の危機に瀕し、国家の根本的変革必然を説き・・・」社会の治安維持に多大の悪影響を及ぼす宗教類似団体こそ大本であるという判断がありました。
②当時の日本国政府が最も危惧していたことは、国際情勢の中での日本の孤立化、ということでした。国内の社会動乱を導くかも知れない危機は、中国大陸に進出し獲得した権益が損なわれることから導かれる経済的孤立化でした。
大正3年からヨーロッパを主戦場として始まった第一次世界に対しても、中国大陸での日本国の権益保護と拡大のために、表面的に対米、対英の「協調」政策を採用していたのです。
対米英協調政策の破綻こそが当時の政府と経済界にとって死活問題だったのです。
案の定、大戦中は中国大陸での既得権の擁護と拡大に熱心な日本を見逃していた米英は、終戦と同時に、中国内の反日運動を支援しかつ日本に対抗する大陸政策を推進します。それに対抗して対米戦不可避の意識が日本国内に急速に台頭してきます。
③日本国政府が、日本対世界の戦争、特に日米戦が不可避だとする論調に機敏に対応したのは上の理由からでした。そして最も活発に「日米戦」不可避の論調を宣伝扇動していた団体こそ大本だったかもしれない。
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