大本の教えとは何か? (一霊四魂と四大綱領について)
大本は人間の計らいや頭脳的産物として創られた宗教ではない。親神である国祖・国常立神が再び世の表に現れた啓示の宗教です。この現象世界の現・幽・神三界にわたる立替え立直しをされ、今日の混乱・無秩序な末法の世から光明世界へと、乱れた暗黒世界を救うという神代からの神約実現成就のため、天の神、地に下りて救済されるとする神の経綸する宗教です。神ながらの権威があります。教典はもちろん、開祖・聖師の人物が神意を体した実践を通して、人類の平和・幸福の到来のため真剣に祈り、実証された教訓が、明日への希望と力を見い出します。神は万物普遍の霊にして人は天地経綸の主体なり、神人合一して茲に無限の権力を発揮す。大本教旨の意味ですが、日本では神と云えば、多種多様な多神教でしたが、この神は天地を創られた親神・主神で、古典的に云えば、天之御中主大神・国常立尊です。ゴッド・ゼウス・アラ-と呼び名は異なっても、真の神は唯一柱です。つくられた万物の中で、人間こそ地上の現界は勿論、死しては霊界においてもその任務を果たし、神の御意志を体して地上天国を建設する崇高な任務をなしとげる主体は、神の子たる人間です。人は互いに力を合わせ和合一致して神の理想世界を実現しなければなりません。
地上経綸の主体たる人間は、神の分霊であり、神の子神の宮として尊い万物の霊長です。一霊四魂を付与され、自覚し正しく活用することで、立派な神の子としての人格者に成り得る。一霊四魂とは自分の心、直霊の御魂にかえりみて、荒魂(勇)・和魂(親)・幸魂(愛)・奇魂(智)で自から努力する事です。<神がこの世にあるなら見せてくれ>はちょっと無理な話です。神とか霊とかは肉眼では見えません。見えるのは物質です。神秘なる存在である神霊が見えないから、否定するのは妄念です。真剣に心を注げば、澄みきった魂の鏡に真実の姿が映じます。神の尊きは人の眼に見る事能わぬが由です。
霊なる真の神に対する時は、人もまた霊を正しくし、誠を以て神に対し奉る必要があります。孔子の論語では、死後について、<現世の生存中の事知らずに、死後の事を知ろうとするのか、人は如何にして生存すべきか学ぶ事>と現世中心の道徳的立場を強調します。ブッダは沈黙を守っていたずらな論争を避けたと云われますが、死後の世界は原始仏教において容認され、他界観念を広く取り入れています。大本では霊界を三大領域に分類します。天界・中有界・幽界です。天界(高天原)は第1・第2・第3天国に分かれ、天人たちが主神の意志を体して神業発展にいそしんでいます。
中有界(天の八街)は人が死んで霊魂が最初に至る処で、外分・内分・準備の3状態に進み、大本では死者の霊を丁重に10日ごとに祀ります。幽界(根の国・底の国)は邪悪・虚偽の地獄です。人生を神の命令を果たすべき旅に例えて、情緒的な生死観になります。次に社会・国家の健全な正しい平和と発展の道として4大綱領があります。祭(惟神の大道)・教(天授の真理)・慣(天人道の常)・造(適宜の事務)で現実的顕幽一致の具体的宗教です。
祭とは真釣り(平衡調和)の意味で、相対的な存在(精神と肉体、天と地、男と女など)がまつりあって栄える事です。神霊と現実の世界をまつり合わせる事が肝要です。
教えとは人の覚りの及ばざる天地の神の言葉なりけりで、宗教とは神が人類を導き救う意志のあらわれです。今日、科学の進歩で地球はますます狭く、やがて1つの地球国家を形成するでしょう。世界の平和と人類の幸福のため協力し合う事が大切です。天人道の常とは天地に一貫した真理があり、形となり法則となって常規的にあらわれる。<どうすれば霊魂を得ることができるか?>答えは天賦の4魂・勇親愛智即是神也で御魂を磨くことです。その心構えが大切です。造とは神の宇宙造化に仕えることで、各自社会的な分担職業を持ち現実の社会を改善し、生活の中から神の御光を仰ぎ現世にあらわす顕現一致です。
処世の方法:四大主義とは清潔(心身修祓)・楽天(天地惟神)・進展(社会改善)・統一(上下一致)からなります。朝起きて、体内の老廃物を排出し、顔を洗い歯を磨き、神様/目上の人/同僚に清々しく挨拶し、健康で楽しく1日を過ごす。仕事をするにも秩序とお互いの持味を生かし相互信頼で進める。四大綱領の道での日々の実践的心構えです。<身の垢は湯水石鹸で洗へども洗い難きは心なりけり><人の身は神を離れて一日だも世に栄ゆべき道なきを知る> 宗教は口で平和を唱えても歴史は必ずしも一致しない。むしろ宗教が原因にもなる。<世の中で戦争ぐらい悪しきものはなく軍備ぐらいつまらぬものはなし>
大本は平和の精神で一貫し、教典にも戦争の罪悪と平和の尊さが示されてます。原子兵器の異常な発達で世界の平和が破れ戦争が起これば、勝敗の問題でなく人類全体の滅亡、地球の破壊になります。今日平和がすべてであり、人類は生き残りを掛けて、平和への努力、戦争防止の力を結集すべきです。国家の自由と独立のための戦争肯定論で、若者を戦場へ駆り立てた偏狭的ナショナリズムが、如何に世界の平和を乱してきたか計り知れない。戦争を絶対的に悪とするのは、愛なる神の教えに立った宗教です。あの第2次大戦中、ほとんどの宗教がどういう言行動を取ったか、深く反省して欲しい。
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