天の岩戸開きを考える(その三) 藤 井 盛<最終回>

〇天の岩戸開きとの関係

四箇所目が霊界物語六十三巻にある。ここが、天の岩戸開きに関係して来る。

「大国常立大神は 厳の御霊と現はれて四(よ)方(も)久(ひさ)方(かた)の天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ) 御(み)稜(い)威(ず)も殊(こと)に大(おほ)日(ひ)婁(る)女(め)貴(むち) 女神となりて諾(なぎ)冊(なみ)の 二神の間に生れまし」   (六十三巻一章「玉の露」)

 実は、この箇所を引用して、私は平成二十八年十一月の大本大祭特別講座で講話をしている。講題は「天祖の降臨について」である。その内容を『愛善世界』誌で長谷川洋吉さんに上手にまとめてもらっている。

「天祖・大国常立尊と国祖・国常立のご関係、国祖が隠退ののち再現されるときに天祖が降って国祖を輔佐されるご神約、降臨されたときの形が神素盞嗚尊でありその御魂を持っておられるのが出口王仁三郎聖師であること、さらに降臨されてなされたことは①天国の福音を地上に降ろされたこと=霊界物語の口述、②罪の贖い主となられたこと、である」 (平成二十九年一月号「連合会ニュース」)

○天祖と国祖の関係の変化

「天の岩戸開き」とは何か。私は、天祖が国祖を輔佐する、つまり、天祖が罪の贖い主・救世主となって国祖を輔佐するに至るプロセスとも考える。

六十三巻一章「玉の露」を見ると、そのプロセスが明確になる。「玉の露」の《天祖と国祖の関係》をまとめて、特別講座での資料とした。図も加えた。

六十三巻一章「玉の露」(概要)

 《天祖と国祖の関係》

①天祖の命を受けた国祖の神政

(=君臣の関係)

②艮の金神と坤の金神の御隠退

 (=夫婦の関係)

③天照大御神と素盞嗚尊の御分掌

(=姉弟の関係)

④天照大御神と素盞嗚尊の誓約(うけひ)   

 (=姉弟の関係)

⑤素盞嗚尊の千座の置戸 → 救世主へ

 (=姉弟の関係)

⑥神素盞嗚大神の救世の活動と国武彦

 (=君臣の関係)

資料 は、《天祖と国祖の関係》が、①天祖の命を受けて国祖が神政を行っていたもの(君臣の関係)が、②(夫婦の関係)→③~⑤(姉弟の関係)を経て、⑥天祖が救世主・神素盞嗚大神となって国祖を輔佐する(君臣の関係)までに至るプロセスを示したものである。

○天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)の御(み)稜(い)威(ず)

このプロセスの③天照大神と素盞嗚尊の御分掌に関する部分で、天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)が出て来る。この中に天照大御神のお生まれの過程がある。

(一)大国常立大神は 厳の御霊と現はれて 

(二)四(よ)方(も)久(ひさ)方(かた)の 天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ) 

御(み)稜(い)威(ず)も殊(こと)に 

大(おほ)日(ひ)婁(る)女(め)貴(むち)女神となりて

◇四方= 東西南北、前後左右 ◇久方の=「天」にかかる枕詞 ◇御稜威=神や天皇の強い御威光(御威光=自然に他人を従わせる勢い、その力)

◇殊に=とりわけ、特に ◇大日婁女貴女神=天照大神の別名(日本書記)

(三)諾(なぎ)冊(なみ)の二神の間に生れまし  

この天照大御神のお生まれの過程について考えてみる。

主神は天国では太陽、霊国では月に御顕現される【註1】が、まず、(一)大国常立大神が厳の御霊と現はれられている。

【註1】「天国の太陽とは厳の御霊の御神格が顕現して、茲(ここ)に太陽と現はれ給ふのです。……霊国にては瑞の御霊の大神月と現はれ給ひ、天国にては又太陽と現はれ給ふのであります」   (四十七巻一三章「下層天国」)

そして(二)の後半部分のとおり、大(おほ)日(ひ)婁(る)女(め)貴(むち)女神となられ、(三)諾(なぎ)冊(なみ)の二神の間に生れられたというのである。

さて、点線で囲んでいるのだが、この厳の御霊と大(おほ)日(ひ)婁(る)女(め)貴(むち)女神の間に「四(よ)方(も)久(ひさ)方(かた)の 天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ) 御(み)稜(い)威(ず)も殊(こと)に」が入っている。枕詞(まくらことば)の「四(よ)方(も)久(ひさ)方(かた)の」を除くと「天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ) 御(み)稜(い)威(ず)も殊(こと)に」が残る。 

これをどう考えるか。次の二つは同じ意味になるかもしれないが。

◇特に、天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)の御威光、お力によって、厳霊が天照大御神になられた。

◇厳霊が天照大御神になられたことが、特に天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)の御威光、お力を示す。

また、先に素盞嗚尊も五六七様と言った(【註2】の記述もある)。そうすると「天(あま)盛(さか)留(る)向(むか)津(つ)媛(ひめ)=撞の大神=ミロク神=素盞嗚尊」となり、姉の天照大御神のお生まれに弟の素盞嗚尊のお力が作用したということになる。

【註2】「ミロクの神の化身たる 神素盞嗚の大神の」   (第四十八巻第一七章「甦生」)

《あとがき》

孫娘は現在、四歳。綾部参拝の前日に西宮の娘夫婦のところに泊まると、「じいじ、大好き」といつも言ってくれる。廣田神社の祭神でもあるみろくの大神撞(つき)賢(さか)木(き)厳(いつ)之(の)御(み)魂(たま)天(あま)疎(さかる)向(むか)津(つ)媛(ひめの)命(みこと)の御守護のもと、すくすくと元気に育ってほしい。

〔令5年10月16日 記〕

大本柏分苑

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