霊界物語 第4巻 至仁至愛より 大本信仰の極意です
霊界物語 第4巻 宇宙大道 至仁至愛より
大正10年12月25日口述 (この年の2月12日 第一次大本弾圧事件が引き起こされています)
<誠の信仰とは、誠の神、誠の御教を信じ実践する事に他なりません。
大本信者に、国祖の神をわかりやすく示した内容です。>
奥殿より玉の襖を押開き、あまたの侍神司を従えて、国祖国治立命は、この場に現れ給ひ、言葉静かに宣り給ふ。
『この度の広宗彦命以下の退職については、余の胸は熱鉄を吞むがごとく、千万無量の想ひに満つ。されど天地の律法は犯しがたし。今となっては如何ともするの余地なく遺憾ながら至仁至愛にして、至誠天地に貫徹するの忠良なる神司を捨つる、余が心中を推察せよ』
と、その御声は曇り、御涙さへ嗣辺に伝ふを窺ひたてまつりたる。
一座の神人らは、国祖のこの宣示に一柱も顔を得上ぐるものはなく、感慨胸に迫って、熱涙ほとばしり、鼻をすする声四辺より聞へ来たりぬ。国祖は、なほも御言葉をつがされ、涙の袖をしぼりながら、
『神は洽く宇宙万有一切をして美はしき神国に安住せしめ、勇みて神界経綸の大業に奉仕せしめむとし、昼夜の別ちなく苦心焦慮す。汝神人ら、神の心を心とし万有一切にたいし、至仁至愛の真心をもってこれに臨み、かつ忍耐を重ね、克く神人たるの資格を保全せよ』
と、説き示し給ひ更に重ねて宣り給はく、
『神の慈愛は敵味方の区別なく、正邪理非を問はず広く愛護す。汝ら桃上彦をはじめ、諸神人一同、これを見よ』
と上座の張を、手づから捲り上げたまへば、六合も照りわたる真澄の大鏡懸りあり。
諸神人は国祖大神の宣示にしたがひ、真澄の大鏡の安置されたる正座に、一斉に面をむけ思はず低頭平身、得も言はれぬ威厳に打たれ、落涙しつつ頭を恐るおそるもたげ、鏡面を拝すれば、こはそも如何に、シナイ山の渓間に天の鳥船より落下して身魂ともに粉砕したる魔子彦をはじめ、竹熊、鬼熊、木常姫、鬼姫、磐長姫、口子姫、鬼雲彦、佐賀姫、真心彦、玉の湖に沈められたる三柱の白狐および八尋殿にて玉を差出したる五柱の竜宮の神人および醜原彦、胸長彦、鶴若、亀若、八十曲彦その他前述の神罰を受けて滅亡したる諸々の悪人は、いづれも生々としてその肉体を保ち、国祖の身辺にまめまめしく、楽し気に仕へ居ることを明瞭に覚り得たりける。
国祖は満座に向かひ、
『汝らは神の真の愛を、これにて覚りしならむ』
と言ひ終りて、背部を諸神の前にむけ、
『わが後頭部を、熟視せよ』
と仰せられたれば、諸神人はハット驚き見上ぐれば国祖の後頭部は、その毛髪は全部抜き取られ、血は流れて見るも無残に爛れ果て、御痛はしく拝されにけり。神司らは一度にその慈愛に感激し、この御有様をながめて、涙の両袖を湿し、空に知られぬ村時雨、心も赤き紅葉を朽ち果てよと吹く風に、大地を染めなす如き光景なり。神人のうち一柱も面を得上ぐるものなく畳に頭を擦りつけて、
各自の今まで大神の御心の慈愛深きを知らざりし罪を感謝したり。
大神の神諭に、
『この神はたれ一人つつぼに致さぬ。敵でも、悪魔でも、鬼でも、蛇でも、虫けらまでも、救ける神であるぞよ』
と示されたる神諭を思ひ出すたびごとに、王仁は何時も落涙を禁じ得ざる次第なり。
悪神の天則違反により厳罰に処せられ、その身魂の滅びむとするや、国祖はその贖ひとして、我生毛を一本づつ抜き取りたまひしなり。この国祖の慈愛無限の御所業を覚りたまひし教祖は、常に罪深き信者にたいし、みづから頭髪を引き抜き、一本あるひは二本三本または数十本を抜き取り、
『守りにせよ』
と与へられたるも、この大御心を奉体されたるが故なり。
(至仁至愛、前半もあります。 その原文は愛善世界社刊 注釈付き文庫判をお読み下さい、アマゾン、ジュンク堂書店などで取り扱っております。)
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