神霊座談会 長沢雄楯・出口王仁三郎①
長春からきた電報
記者 では、今日、長春からきた電報の説明から始めて戴きましょうか!
長沢 そうそう今日長春から出口さんに電報が三通参りました。
あちらで心霊研究会を開いたらその席上、出口さんのお姿が現れ、声も聞こえて、歌をお詠みになったそうです。
これを説明する前に、霊魂というものはどういうものであるかという事を簡単に申し上げます。
一体、霊魂は一霊四魂いちれいしこんであり、一霊とは直霊の魂で四魂というのは幸魂さちみたま、荒魂あらみたま、和魂にぎみたま、奇魂くしみたまであります。
電報によりますとお姿が現れ、そして声が現れたのでありまして、そしてあの電報には……
記者 ここにその電報を持って来ておりますから、ちょっと読みます。
電文「昨夜神霊実験会にお顔とお声の物質化を一同深謝す、高野、城市、内山」
電文「昨夜神霊実験会に多大の御神助を賜り御姿で御歌をたまわり一同感謝しまつる
御歌 春の夜の集いうれしやわが思いここに初めて芽ふかんとする
誤り御訂正を乞う」
出口 うれし「や」の「や」と「も」とだけが聞き間違っている。
長沢 これが証拠でございまして、日本書紀や古事記に大国主神おおくにぬしのかみ、少名彦神すくなひこのかみがこの国をおつくり遊ばされた時、未だ全く功を奏しないうちに少名彦神は常世の国へ御渡りになったので、大国主神は非常にお嘆きになり、吾一人でどうしてこの国がつくり終えられるかと仰せられた。
この時、海を照らして寄り来たる神があります。その神に汝はいずれの神であられるかと大国主の神がお尋ねになると、寄り来たった神が、吾は汝の幸魂、奇魂であるとお答えになった。この謎はちょうど電報と同一のものであります。
出口さんは御存じないのに向こうに姿を現し、歌を御詠みになったのであります。
云いかえて申しますと、一霊四魂の働きが体たいを現したのです。こうしたことは元来疑わるるべきものではないのですが、日本に仏教が渡来して来た後というものは全く神霊を御送迎申し上げることが衰えて神様へ感応することの術を失ってしまったのであります。
神様から感応がなくなってから段々とこういう方面の智識にうとくなり、今日では信ずる信じないどころか頭から疑ってみる人ばかりなのであります、こういう事実は他にも色々ありますし、また西洋にも多くの例があり、決して奇怪な疑うべきものではないのであります。
サニワ
記者 先生は神霊の感応やサニワ等、どうしてお習いになったのですか
長沢 サニワはサニワで、こうした事を書いた本があります。そうした本を充分に読んで心を清め、清潔な濁りのないことに心がけ、更に天津神国津神を信仰しなければなりません。
それでやはり一番大切なのは琴師です。すべて神懸りは悪い心を持ってやると邪神に感応し、清潔な心をもってやると正神に感応しますが、琴師の心が一番大切です。この修業はどうしたらよいかとのお尋ねでございますね?
それには先ず神様の本をよく読む事です。神様の書物ばかりでなく天文学とか或いは地質学とか、鉱物学とか物理とか内外歴史等、諸般の学術の本を務めて広く見て腹に入れておかねばなりません。何故かと申しますと、わずかな軍事の事をお伺いするにも、大略の事を心得ておかぬと、お示しの事を正確に受け入れかねるのであります。鉱物学の事をお尋ねする時には、やはり好物に関しての智識がないと、お伺いを立てるに支障を来します。これらが先ずサニワに一番必要な条件だと思います。
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